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OpenWrt を VMware ESXi 上で仮想化して副産物も得る #1

一連の OpenWrt 研究の結果、ミニ PC 上で OpenWrt を動かして満足していたわけですがふとしたきっかけで仮想化することになりましたので、これを機に一気に自宅のネットワークの課題を解決しました。 cube309b.hatenablog.com

きっかけはフレッツ光マンションタイプ開通連絡

私が引っ越してきた時、マンションには VDSL 方式でのフレッツ光しか存在しませんでした。使ってみるとなんと速度が 56Kbps ・・・管理会社に相談して戸建てのフレッツ光を引き込んだのが現在です。それがしばらく前にマンションタイプが開通したという案内が来たのです。

現在のネットワークに関する問題

回線の月額費用が高い

IPoE 環境で固定の IPv4 アドレスが必要なので en ひかりは継続利用するとしても戸建てかマンションかで月額料金が \1,100 違いました。 地域の利用者で帯域を割る (戸建て) かマンション内で帯域を割る (マンション) かの違いはあるにせよ、マンションに住んでいるのだから恩恵は受けたかったのです。

明細 月額費用
回線 (戸建て) \4,620
v6 プラス \198
固定 IP \770
合計 \5,588
明細 月額費用
回線 (マンション) \3,520
v6 プラス \198
固定 IP \770
合計 \4,488
OpenWrt がミニ PC の性能を使い切っていない (というかオーバースペック)

以前の記事でも記載したように、CPU もメモリもディスクも余剰でした・・・97% あまりて。 cube309b.hatenablog.com

宅内に 2.5GbE ではない経路が存在する

これは、メッシュ WiFi である Deco のハードウェア仕様によるものでした。第三回目で詳しく解説します。もちろん、今回とてフレッツ光クロスにしたわけではないので 2.5GbE にそろえたところでインターネットの速度は GbE で頭打ちになるのは理解の上です。

何を変えてどうなったのか

ONU の設置場所を自室に変更

ポイントとしては ONU を設置する場所を回線プラン変更に合わせてリビング→自室に変更したことです。これにより、既存の ESXi 上で仮想マシンとして OpenWrt を利用することができるようになったのです。上段が Before で下段が After になります。

良かった点
  • マンションタイプへの変更で月額料金が \1,100 安くなったのに実際の利用者が少ないようで速度が平均 50-100Mbps 程度上がった (工事費用は掛かったので損益分岐点はしばらく先)
  • 既存の仮想環境に OpenWrt を乗せられたので、適正なスペックで運用することができた
  • ミニ PC が物理的になくなったことで配線が減りさらに電気代も安くなった
  • Deco をスター型で設置できたことで追加投資なく宅内が全て 2.5GbE になった

変更への第一回は既存の ESXi を 2NIC 構成に変更

現在の ESXi 機は NIC を一つ持っているのですが、ONU と新たに直結する必要があるためこれを二つに増やす必要がありました。 それをするためにはいくつか課題があってですね。。。いや、毎回目的に沿った最小構成にするので何かを変えると芋づる式に変更しないといけないのです (> <)

問題点 1:ケースは拡張性ゼロの「SST-ML10B」

物理的に追加カードがさせないコンパクトなケースでしたので、「SST-SG13B-Q」 に変更

問題点 1-2:コンパクトケース故に冷却能力が不足

CPU の電圧は下げていたのですが、それでもデスクトップ CPU でしたので負荷をかけるとヒートシンクが結構熱くなり、それを鎮めるためにケースに付けた唯一の 14cm FAN で冷却する構造をしていました。 14cm FAN が 800 以上の回転数を出してくると結構聞こえるんですよね・・・。

ケースを変更したことで、いろいろ変えることができました。ちなみに、この構成にすると SST-SG13B-Q の 2.5 インチベイは使えなくなりますし、ATX の電源も利用不可です。

問題点 2:電源の容量不足

NIC を一枚刺した程度でオーバーすることはないと思っていますが、それでもなんと 120W。GaN の小型アダプタで PicoPSU に合わせるとそれしかなかったんです。 が、気が付けば大容量のものが販売されていましたので ATM200TS-P120 に変更!

問題点 3:ESXi が認識する 2.5GbE の NIC 探し

ESXi は OS が NIC のドライバを持っていないと認識させるのに一苦労します。Realtek とか Realtek とか。IntelNIC がよかったので、メーカーは怪しいですが Intel I225-V B3 の NIC にしました。 ちなみに、どの NIC がどのバージョンの ESXi でデフォルトで認識されるかは以下で確認可能です。 www.vmware.com

変更後の構成

PicoPSU をケースに固定するパネルなど細かいパーツはありますが、主要な構成を記載しておきます。

パーツ 型番など
CPU Core i5 11500
マザーボード MEG Z590I UNIFY
CPU ヒートシンク GI-D56V
CPU FAN SU1225FD12M-RHP
モリー ARD4-U32G48SB-26V-D
SSD AGAMMIXS70B-1T-CS
NIC 2.5GbE NIC
電源 PicoPSU-160 DC-DCコンバータ
電源 ATM200TS-P120
ケース SST-SG13B-Q
ケースFAN Silent14 PWM
OS ESXi 8.0
写真

ESXi 用のハードウェアの一部入れ替えを終えて

小型化と静音化って両立が難しいですね。


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