この記事ではなぜ IPv6 環境において固定 IP の取得を目指そうと思ったのかという点とどのように変えたのかという点を記載しています。全体的な流れについては以下の記事をご参照ください。 cube309b.hatenablog.com
現状と課題
500Mbps は越えている環境ではあったが・・・
IPoE 接続方式を知って乗り換えたのが 2 年前ぐらいで、IPv6 上にカプセル化した IPv4 を流すことで我が家では同一の光回線で 500Mbps を超えるようになり大満足でした。 実際の速度はこんな感じです。
我が家では IPoE 接続方式の中でも v6 プラスというサービスを利用していました。
この v6 プラスにおいては IPv4 の通信を行うときに自宅のルーターで NAT 変換を行って通信することになり、加えて以下の仕様を持ちます。もちろん普通にインターネット利用する分には何の問題もありません。
- 複数のユーザー間で同じグローバル IPv4 アドレスに NAT 変換される
- ポート番号をユーザー間で使い分ける
着信ポート番号が自由に使えないので一部通信ができない状態に!
各ユーザーが割り当てられるポート番号は事前に定められ、ユーザーが自由に選ぶことができません。 割り当てられるポート番号は well-known ポート (80 とか 443) といったことはなく、一般には利用されていない範囲から払い出されます。
つまり、着信ポート番号が決められていて変更もできない通信はできないことになります。 私にとっては IPsec VPN ができなくなってしまいました。どうしても IPsec VPN でないと通信が取れない相手がいたのです。
解決方法と解決策
固定のグローバルアドレスを一つ割り当ててもらえば良い
いつの間にか解決策も出ておりました。すなわち、グローバル IPv4 アドレスを共有せず、一ユーザーに一つ割り当てればよいのです。 IP アドレスを一つ占有すれば、ポート番号は 1-65535 まですべて自由に利用できるようになります。
v6 プラスの固定 IP オプションの提供業者を探す
ということで、v6 プラスの固定 IP オプションを提供している業者を探し、en ひかりに乗り換えることに決めました。 enhikari.jp
ちなみに、v6 プラスであれば JPIX の Web サイトでサービス提供業者の一覧が見つかります。 www.jpne.co.jp
en ひかりを選んだ理由
価格が安い
固定 IP まで使えてこの金額は安い。。。いわゆるプロバイダー費用も含んで総合計がこれです。 ただし価格を下げるために余計なものは付与されていません。代表的なものとして、プロバイダーのメールアドレスは付与されません。
明細 | 初期費用 | 月額費用 |
---|---|---|
回線 (戸建て) | \2,200 | \4,620 |
v6 プラス | \0 | \198 |
固定 IP | \2,200 | \770 |
合計 | \4,400 | \5,588 |
v6 プラスが提供されていて移行難易度が低い
そもそも IPoE 方式は v6 プラス以外にも複数の VNE から同種のサービスが提供されていて、en ひかりでは以下から自由に採用することが可能でした。
VNE | 商品名 |
---|---|
株式会社 JPIX | v6 プラス |
インターネットマルチフィード株式会社 | transix (※) |
アルテリア・ネットワークス株式会社 | Xpass |
※ IPoE 方式下での固定 IP オプションが利用できないため、今回の検討では初めから除外
とはいえ、リモートワークでインターネットを利用するため、1 日の単位で通信断が発生するとなかなかに厳しい状況です。 そのため、現状から最も移行が簡単な v6 プラスの継続利用は必須でした。
また、契約上固定 IP を入手していてもルーター側に設定するまでは IP 共有方式で接続してくれます。 つまり、すでに v6 プラスを利用できているのであれば、先に契約だけ固定 IP にしてもインターネットは利用し続けられます。
移行の概要と流れ
移行概要
我が家では NTT のフレッツ光を用いたコラボレーションサービスを某プロバイダーより提供してもらっていたので、今回は事業者変更という移管方式となりました。 NTT 側の切り替えはあるにせよ、利用者側としては契約先だけが変わる形です。 もちろん、ケースによっては物理工事などが発生してしまう可能性があり、その場合は記載の限りではありません。
移管元のプロバイダーにて「事業者変更承諾番号」を取得
有効期限がついた移管の承諾番号を移管元から入手しました。 私の場合は、番号取得から 15 日以内に移管先への申し込み処理をしないといけないという条件でした。 なお、実際の切り替え日は 15 日より後になっても大丈夫で、あくまで申し込み完了期限となります。
en ひかりに「事業者変更承諾番号」を添えて申し込み
回線速度が同じプランであれば、実際の回線速度は変更ありませんでした。本当に契約名義の付け替えという感じです。
en ひかりと移管日調整
en ひかりから移管日に関しての調整電話があり、移管日に関しては以下のポイントを考慮しました。
ポイント |
---|
● 調整電話から 10 日後以降で移管日が設定可能 ● 移管といっても利用者宅での切替工事等は無し (ルーターの設定変更も不要※) ● 利用料金の日割りはないため、切り替え日に関しては留意 ● 移管は通常、移管指定日の深夜 0:00 頃からスタートされる (朝までには終わっている) |
※ IPoE 方式においては、ルーターに接続情報としての ID やパスワードを設定する必要はありません (使用している物理回線情報を基に接続してくれる)。 もともと何の接続情報も入っていないので、移管しても再設定が不要なのです。
実際の切り替え
朝起きるまでの間に一度通信が途切れ再接続したログがあったものの、私自身は特に何もしませんでした。 なお、私の場合は問題ありませんでしたが、移管処理が行われると移管元のプロバイダーの契約が消滅します。 普通は伴ってメールアドレスも使えなくなりますので、なくなって困る方は対応方法を移管元にご相談ください!
後日:支払い方法の決定
これは少し面倒な点として、申し込み時には支払いの方法を決めることができません。 開通後郵送で送付されてくる紙面を見て登録対応が必要となります。もちろん支払い設定を忘れると利用を止められてしまうのでお忘れなく!
回線の移行を終えて
こうして契約上は v6 プラス環境で固定 IP を入手したわけです。しかし、実際にルーターに設定するまでは IP が固定化されません。 というわけで、次節のルーター新調という話に続いていきます。
Note |
---|
・ 当ブログは個人主催であり、ブログ中のすべての情報は個人的な観点となります。 ・ 情報については正確な内容となるよう努めますが、完全性や正確性、有用性、安全性、最新性について一切保証できかねます。 |